アメリカが撃墜した中国の偵察気球。鹿児島や仙台など日本でこれまでに目撃されていた気球についても、防衛省は“中国の偵察用気球と強く推定される”と発表しました。日本で気球が見つかった場合、アメリカのように撃墜することはできるのか。関係者が“技術的に難しい”と話すそのワケとは。

日本でも確認された気球の一部 “中国の偵察気球”と強く推定 防衛省

アメリカ国防総省が新たに公開した写真。4日に戦闘機で撃墜した中国の気球を回収する様子です。

ロイター通信は情報収集に使われたとみられる重要なセンサーや電子機器も回収されたと伝えています。今後、アメリカが“偵察用”と指摘する気球の解析が進められることになります。

笹川平和財団 小原凡司 上席研究員
「どのくらいの性能センサーが積まれていて、どの程度のもの(情報)が取れるのかは公表されないと思うが、どういう情報を取ろうとしているかがわかると、中国が何をしようとしているかもわかる」

一方、日本でも相次いで目撃されていた気球。これは2019年11月、鹿児島市上空の映像です。

目撃者は…

薩摩川内市役所の職員
「ゆっくり、ふわふわ浮きながら流れていくのを目撃した。何だったのか、その正体が気になる」

天体望遠鏡で撮影された写真を見ると複数の棒状のものがあり、中央には機材のようなものが吊り下げられています。気球が光って見えるのは、太陽の光を反射しているからだといいます。

せんだい宇宙館 今村聡館長
「気球から吊されている観測機器。パネルのようなものが非常に似ている」

2020年、仙台市。

記者
「上空に白い何かが浮かんでいるのが確認できます」

別の角度で撮影された気球をアメリカで撃墜された気球と見比べると、非常に似ていることがわかります。

2年前には小笠原諸島の父島でも。他のものと同様に何か機材が吊り下げられています。

防衛省は14日夜、気球を分析した結果、鹿児島や仙台などは「中国の無人偵察気球と強く推定される」と発表。

中国側に事実関係の確認を求め、「領空侵犯は断じて受け入れられない」と申し入れました。