「地割れが20キロ続く」「無事なところを見つけるのが難しい」 トルコ・シリア地震 被害の全容は?

徐々に被害の全容も見えてきています。

東京大学大学院 渡邉英徳 教授
「トルコ・ハタイは、町中のほぼすべての場所でビルが倒壊している。無事なところを見つけるのが難しいくらいの状況」

衛星画像が映し出すのは、押しつぶされたように倒壊した建物や横倒しになったビル。東京大学大学院の渡邉教授は、独自に分析した衛星画像から “ある”地表の変化を発見しました。
 
渡邉英徳 教授
「黒い割れ目が走っていて、車が見えますね」

トルコ南部・イスラヒエの画像です。地割れを北に向かって辿っていくと・・・

渡邉英徳 教授
「畑で線がズレていて、道にも割れ目が走っている。このまま辿っていくと、(地割れが)終わらないんですよね。だんだん集落の中を割れ目が走るようになる。この家は真下を割れ目が走ったので、破壊されてしまっている」

地割れはさらに続き、確認できただけでも20キロに渡っていたと言います。

渡邉英徳 教授
「熊本地震等で巨大な地割れを目にしてきたが、さすがに20キロの長さじゃなかった。途切れずに続いている地割れに驚愕したし、そういう地割れを発生させた地震のエネルギーに驚いた」

こうした画像をホームページで公開したところ、トルコ国内からのアクセスが急増。「被害の実態がわからない地域のデータがないか」と、メッセージが届くこともあるそうです。

渡邉英徳 教授
「メディアが主に伝えているのは、特徴的なスポットですよね。どの範囲が被害を受けたのかは中々読み取れない。現地の人たちは情報を入手する手立てがなくて困っていることを表しているように思います」

一方、分析ができるのはアメリカの企業が衛星画像を提供している地域に限られることから、シリアの被害については分析が進んでいないと話します。

渡邉英徳 教授
「おそらく政治的理由だと思う。普段から(シリアの)高精彩な衛星画像は出てこない。現時点ではシリアの画像はなく、トルコ国内のものに限られている」

反体制派支配地域への支援が難航しているシリア。内戦による荒廃に追い打ちをかける形となっています。