「男尊女卑」が強い中で、ジュエ氏をアピール?
―――まだまだこの男尊女卑という考え方が強くて、しかも「女の子である」というところからも先生は後継者と考えにくいということですね。ただアピールの仕方を見ると豊田さん、一体どういうことなのかなと思ってしまいますね。
豊田真由子元衆院議員: 逆に、男尊女卑だからしてあげる気持ちもよくわかるんですけど、逆にだからだからこそ早いうちから「この子だよ」っていうふうに決めて既成事実化したいのかなとちょっと思ったりします。
やっぱり北朝鮮って国内外にものすごい不安定で、決して権力基盤が盤石じゃないって自覚してると思うんですよ。だからこそ身内も暗殺されたりとか、幹部も粛清するとかいっぱい権力闘争がある中で、クーデターとかをなるべく起こさせないで、もうこの子なんだよってやりたいのかなと思ったりもするんですが、それがないとすると、逆にどういう意味でこの子が出てきていて、その兄はどうしてるのかなとか、そのあたりをお伺いできたらなと思うんです。
龍谷大学・李相哲教授: 考えられるのは、お兄ちゃんが本命ですから、絶対外には出さない。今ジュエさんを出してもあんまり害はないですよね。権力を奪われる心配もない。それから女性に関する北朝鮮の一般の人々の感覚というのは、北朝鮮の人たちはいまだに昔の古い言葉もよく使うんですよね。「メス鳥が鳴くと家が滅びる」というふうな。普通に使います。
ですから北朝鮮の権力中枢、最高位の30番以内に、女性は1人か2人しかいないんですよ。ですから彼女は軍が統制できませんし、逆に女性だから今出して、ただその意味はですね、やっぱり金一族性のある家族の次の世帯も大事な存在なんだっていう。そのようなメッセージを送ってるんですね。つまり、金正恩の次の世代だったらば、女性だろうがどういう人存在であろうが、特別な存在だという演出だったというふうに思います。