トルコ・シリアを襲った大地震から1週間。生存率が著しく下がる72時間が過ぎたいまも懸命な救助活動が続いています。がれきの中から6日ぶりに救助された男の子。救助隊に「アイスをもらえますか」と話しかけました。

一方、トルコ国内では治安の悪化が救助活動の“新たな障壁”になっています。また、倒壊した建物についての責任を追及する動きも。地元メディアによりますと、これまでに建設業者134人に逮捕状が出ているということです。

■「アイスもらえますか」 9歳の男の子を6日ぶりに救助

トルコ・カジアンテプがれきの中から6日ぶりに救助された男の子。救助隊にこう話しました。

男の子「アイスをもらえますか」
救助隊「もちろん」

救助隊「いくつなの?」
男の子「9歳」
救助隊「9歳なのね。アイスはどんな味がいい?」
男の子「いちご味」

トルコ・カフラマンマラシュでは、こちらの男の子も6日ぶりに救助されました。この後、同じ建物から女性も救助され、2人は病院に搬送されました。2人の命に別状はなかったということです。

震発生から1週間。生存率が著しく下がる72時間が過ぎたいまも、懸命な救助活動が続いています。がれきのなかで72時間以上生存できた要因について、専門家は「好条件が重なった」と話します。

神戸学院大学 社会防災学科 中田敬司教授
「生存空間といいましょうか。崩れてきたけれども自分たちの空間が確保できたということですね。そして2点目は、寒い時期ですので、発汗が抑制されて脱水のリスクが少し落ちたのかなというところもありますが、100時間超えて助け出されている人はもう脱水症状が確実にあると思います」

一方でがれきに埋もれ、まだ行方が分からない人も少なくありません。

がれきのそばに犬の姿がありました。この犬も、飼い主の帰りを待っているようです。

飼い主の親族
「(地震の後)犬を別の場所に連れて行ったのですが、ここに戻ってきて飼い主を待っているんです。飼い主はまだがれきの中にいます」

これまでにトルコで▼3万1600人以上、隣国シリアでは▼4000人以上が死亡しています。

被災地を訪れたグリフィス国連事務次長は11日、イギリスメディアに「死者数は現時点で確認されている倍以上になるだろう」と話しました。