「金融緩和の継続が必要である」10日、黒田総裁の“異次元の金融緩和”を継続するともとれる発言をした、次の日銀総裁と目される植田和男氏。しかし、“新総裁はこれまでの路線を徐々に修正する”とした見方をする市場関係者も多く、日経平均株価が一時400円以上値下がりする場面も…。住宅ローンの金利は?私たちの暮らしに今後どのような影響があるのでしょうか。
■ “新総裁候補” 植田氏 現状では金融緩和継続発言も、「思ったほどハト派ではない」との見方も
「これが和男です。30歳ちょっと過ぎた頃じゃないかな」
次の日銀総裁と目される植田和男氏が長女を抱く写真に目を細めるのは、叔父の植田六郎さん。

叔父 植田六郎さん
「血がつながっているのか、こちらが心配になるぐらい頭の良い子でした。ラジオも英会話で聞くとか、勉強熱心な子」
次期総裁との報道を受けてメールを送ると、すぐに返事が返ってきたといいます。

叔父 植田六郎さん
「『ダメになったら旧・相良町に戻りますのでよろしく』という返事でした」
最大の焦点になるのは、アベノミクスを支えた黒田総裁の“異次元の金融緩和”がどうなるかです。
元日銀審議委員 植田和男氏
「現状では、金融緩和の継続が必要である」

2月10日、黒田路線を継続するともとれる発言をした植田氏。
13日朝、証券会社には客からの問い合わせが相次いでいました。
市場関係者
「経済の資料とかを重視して考えるという方なので、思ったほどハト派(金融緩和派)ではないんじゃないか」

市場関係者は、植田氏が黒田氏ほど金融緩和に積極的ではないとみています。
■“新総裁候補” 植田氏とはどんな人物か? 専属スタッフに話を聞く
植田氏が日銀の審議員を務めていた際、専属スタッフだった人物に話を聞きました。

Q.植田さんからよくかけられた言葉・信念は?
野村総合研究所 井上哲也 シニア研究員
「『“データをして語らしむ”、そういうスタイルでプレゼンしないと相手は納得しない』といつも言われていた」
経済学者である植田氏は、データを重視して論理的に考える「実証主義」であったといいます。
Q.今後、植田さんの何に注目していく?
野村総合研究所 井上哲也 シニア研究員
「これだけ長期間の金融緩和が続いたので、いろいろな意味でひずみが出ている。緩和(政策)を切り替えたときに、金融の安定にどう影響が及ぶかということもかなり慎重にご判断されるというか、考慮されたうえで、政策手段を考えるということになる」