「お肉をちくわに代替え」節約してもおいしい食事を食べさせたい

この状況を受け行政の支援も始まっています。名古屋市では2600万円の予算を組み、2023年2月から子ども食堂にレトルトなどの食材を提供しています。
名古屋市が子ども食堂に予算を組むのは初めてで、
市の担当者は「物価高騰の影響で運営が苦しくなっている」との声が
多くなっているためだと話します。
(こども食堂Qchan・藤江由美子さん)
「ハンバーグ!こういうのを忙しいお母さんにどんどん配ると、お家で温めて食べるだけだもんね」

藤江さんは物価が上がっても、食材の量や質を下げたくないという思いからメニュー作りに日々頭を悩ませています。例えば、お肉のから揚げの半分をちくわに代替えするなど、コストを下げつつも種類が豊富に見えるミックスフライに仕上げていました。
(こども食堂Qchan・藤江由美子さん)
「何かあったらここに来ればいいや、第三の居場所といわれる学校とお家ともう一個、安心して子どもたちが過ごせる場所が大事」
「将来の夢は警察官」自分を守り、育ててくれた母を今度は僕が守りたい

小学4年の10歳の男の子も、藤江さんの子ども食堂に通う1人です。母親が午後7時に帰宅すると、喜んで出迎えます。
6歳の時に両親が離婚し、今は2人暮らし。母親は息子のため朝から晩まで工場で働いています。
(母親)
「仕事から帰る時間が遅くなっちゃうから、子ども食堂があって良かった。自分のアイシャドウや服も買えない、お金が少なくなっちゃうから」
母親も物価の高騰でやりくりに苦労していて、自分のものもあまり買えない状況です。
息子は子ども食堂から帰ったあと、もう一度ご飯を食べます。母親が作ってくれたご飯を食べるこの時間が特別です。

(小学4年・男の子)
「(Q将来の夢は)警察官。みんなを守りたいしママを守りたい。育ててくれてありがとうって思いもある」
どんな時も自分のことを一番に考えてくれる母のために“今度は自分が警察官になって母を守りたい”という思いがありました。
今日もみんなが待ついつもの場所へ向かいます。子どもたちの笑顔や育ちを支える場となっている子ども食堂。そこではいつも温かい食事とふれあいが待っています。
CBCテレビ「チャント!」2月7日放送より