■「アサド政権は意図的に支援をしていない」

倒壊した自宅の前で泣き崩れる男性。妻と子どもを失いました。シリアで特に被害が深刻なのが北西部の反体制派支配地域です。

この地域では、シリア民間防衛隊、通称「ホワイトヘルメット」が救助活動にあたっています。内戦が続くシリアで10年間活動している隊員がJNNの取材に応じました。

ホワイトヘルメット隊員 アブドラ・イスマイールさん
「地震の被害は、3~4棟の建物が破壊される爆撃とは異なり、より大規模な破壊です」

時間の経過とともに難しさを増す救助活動。さらに家を失った被災者たちを苦しめているのが、凍てつく寒さです。

アブドラ・イスマイールさん
「夜は氷点下7℃。とても寒い。ほとんどの家族が子どもを温めてあげることもできない。安心して眠れる場所を必要としています」

イスマイールさんは、反体制派の支配地域では、いまも救助が必要な場所が数百か所あると言います。それなのに「アサド政権は意図的に支援をしていない」と指摘。国際社会に対し、一刻も早く支援が必要だと訴えました。

アブドラ・イスマイールさん
「私たちは最初から助けが必要だと言っています。緊急の援助が必要だと。でも誰も応じなかった。地震で生き残った人たちを助けてください」

日本政府は、トルコに国際緊急援助隊の医療チームとして、数十人規模を派遣することを決め、先発隊が羽田空港から出発しました。