■「政府は目先のこと、景気のこと、戦争のことを考える」
安倍氏は金融政策を選挙のアジェンダに使ったが、本来金融政策は専門的なもので一般有権者にどっちの金融政策がいいか選ばせるようなものではないと加藤氏は言う。つまり、あの時自民党が大勝したのは、金融緩和策が指示されたわけではなく、民主党の失政や他の要素が影響していたかもしれないが、政権側は“民意”として日銀を押し切った形だったという。
副総裁だった西村氏の証言にも度々登場した“日銀の独立性”。そもそもこの独立性はなぜ大事なのだろうか?
野村総研エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏
「国民の生活の安定のため。日銀だけじゃなく、世界的に中央銀行の独立性は重要です。中央銀行がなかった頃は政府が自ら通貨を発行していた。政府は景気をよくするために通貨をどんどん発行する。するとインフレになる。あるいは戦争をする時も通貨をどんどん作って、インフレになる。政府は目先のこと、景気のこと、戦争のことを考える。そうするとインフレになって国民の生活は不安定になる。だから政府とは独立した中央銀行が金融政策と通貨の発行を担うようになった」
東短リサーチ チーフエコノミスト 加藤出氏
「どこの国でも選挙が近づくと一時的に景気刺激策を欲しがる。すると経済のブレが激しくなる。なので中央銀行はもっと中長期的な視点で政策を行いなさいという趣旨で今の日銀法も独立性という言葉ではないですが“自主性”とういうことを日銀に付与しています・・・」
この自主性、独自性が損なわれかけた10年が間もなく終わる。果たして次はどんな人物がどんな金融政策を展開するのだろうか…。
(BS-TBS 『報道1930』 2月8日放送より)














