浜岡原発(静岡県御前崎市)で大きな事故が起き、放射性物質が漏れ出した想定の訓練が週末、3年ぶりに住民も参加する形で行われました。静岡県御前崎市の病院では、被ばくした患者の受け入れについて課題が浮き彫りになりました。
<訓練の様子>
「内部汚染の可能性あり。こちらも核種はコバルト60」
静岡県御前崎市の病院です。被ばくした原発作業員が救急搬送された際の訓練が行われました。訓練には、福島第一原発事故を経験した福島県立医科大の職員などもアドバイザーとして参加しました。
訓練は浜岡原発の廃液タンクで清掃作業を行っていた作業員が転倒して負傷し、その勢いで汚染水を飲み込んでしまったという想定で実施。重要なのは、放射性物質を外に漏らさないこと。患者のけがの処置と簡易除染を行い、原子力災害の拠点病院である静岡県立総合病院(静岡市葵区)に運ぶまでの手順を確認しました。
新型コロナの影響で3年ぶりの訓練となり、初めて参加した職員が多く、課題が残りました。
<御前崎市立御前崎総合病院 鈴木定孝画像診断科長>
「(汚染を広げないための)養生の部分で慣れていないという部分があるので、結構時間がかかってしまったという部分があるので、普段訓練をしながら、早くできるような準備だけでもすればスムーズにいくのかなと思いました」
病院では他の職員とも情報を共有し、非常時の対応力を高める方針です。
一方、新東名の浜松サービスエリアで行われたのは、住民の訓練です。浜岡原発から半径31km圏内の住民を乗せたバスが次々と到着しました。
避難先に向かう経路上で、放射性物質が車両や住民の衣服などに付着していないか調べる検査が行われました。
<野田栞里記者>
「こちらでは、バスを降りた住民1人ひとりの放射線量の検査を行っています。放射線量が基準値を超える場合は、こちらで簡易的な除染が行われます」
基準値を下回れば「検査済証」が交付されます。住民が参加する訓練も3年ぶり。土曜日に開催したこともあって参加人数はおよそ370人と過去最多となりました。
<参加した住民>
Q.3年ぶりですが?
「やれなくて、やはり忘れかけてたというか。3年ぶりに実施出来てよかったと思う」
「これがスムーズにできればいいなと思う。たくさんの人が来れば混雑もすると思うので、その辺の今後の対策も大事かなと考えています」
住民に対応する県や市や町などの行政側にも、3年ぶりのブランクがあったといいます。
<静岡県危機管理部 加藤晃一部長代理>
「係の者が久しぶりということもあって、ちょっと手間取っているんじゃないかというところもあるかもしれない。実際に災害が起こると自家用車での避難数がかなり多くなってくると思っています」
静岡県の担当者は訓練を重ねるとともに、今後、自家用車も交えた訓練も考えたいとしています。
住民の避難では浜岡原発の31km圏内の11市町が「広域避難計画」を策定しています。ただ、避難の際の第一目的地となり、住民を避難所に案内する「避難経由所」が決まっていない市町があるなど、計画にも課題が残っています。
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