安全・最適な作業、樹護士ならではのテクニックも

体重をかけてロープの掛かっている枝の強度を確かめます。靴に付けた特殊な道具にロープをセットして登っていきます。高さは約15メートル。大切なのはポジション取りです。どこにロープを張り、どう移動すれば安定したポジションを確保できるのか・・・。最適で、安全な作業手順を組み立てます。樹上でも、地上と同じようにチェーンソーを扱うためです。

クレーン車などが入れないため、樹護士ならではのテクニックで枝を切っていきます。切った枝や幹はロープを使って目標の場所に降ろしていきます。
福永さん「伐採屋ではなくて、木の保護や守っていくことが基本的なミッションです。残すための知識や技術、治療方法をしっかり共有して考えています」
高校生が森に…“森に親しみ林業の魅力知って”

気軽に森に触れ、林業を知ってもらう取り組みにも力を入れています。この日は、インターネットなど通信制の高校で学ぶ生徒たち15人が、全国から長門市を訪れました。福永さんが講師となり、千畳敷周辺を探索しました。
福永さん「これはクヌギ。シイタケを作る原木にするために人が植えたものです」
高校生は、木の伐採も体験しました。ロープを使って木を倒します。

福永さん「上にロープをかけて引っ張って倒します。わざわざ人が登ってやってる時代は終わりました。おしゃれで格好いい林業を見せたいと思います。切る方向こっちですね、いきます」
生徒2人がロープを引っ張りますがなかなか倒すことができません。福永さんが“秘密兵器”という道具を取り出しました。

福永さん「秘密兵器を使うことで、2人の力が5倍になります」
生徒たち「頑張れ頑張れ!せーの」
ようやく、木が倒れました。
福永さん「これが間伐。大変だったでしょう。今、いい間伐が出来ました。上を見たら周りの木はちゃんとあるけど、ここだけ抜けてる。これが理想的な間伐です」
間伐の後、3メートルに切った丸太の値段も教えます。
福永さん「1800円ぐらいかな」

生徒たちも手伝ってチェーンソーを使い丸太を板にしていきます。木の付加価値を高めることで林業をする人の収入アップにつながります。
福永さん「一枚2500円から3000円ぐらいになります。そういうのを上手にやると、これからの林業、熱いんじゃないかなと」
生徒たちも間近で見る林業に魅力と可能性を感じているようでした。
高校2年生「ふだんなかなか体験出来ないことが多くて、木の重さとか香りとか実際に体験することによって生命の重さも感じた気がします」
高校1年生「チェーンソーは、全然力入れなくてもすーっといくような感じで、興味がわきました。次は1本まるまる木を切ってみたいですね。すごく楽しい」














