男性が女性にお金を払って飲み会や食事をする“ギャラ飲み”。専用のマッチングアプリも登場し月に1000万円以上稼ぐ女性が現れるなど、広がりを見せています。こうした“女性たちの稼ぎ”に目を光らせているのが、国税当局です。“夜の仕事”の新たな形と、国税の動きを取材しました。
“ギャラ飲み”は仕事? マッチングアプリも登場

2022年の暮れ。東京・港区の居酒屋では、若い男女が食事を楽しんでいました。ですがこの2人、 カップルではありません。
女性は男性から報酬を 受け取っています。いわゆるギャラ飲みです。
別の店でも…

こちらの女性2人組は、男性たちとこの日が初対面。男性側からは1時間で数万円の報酬が支払われるといいます。

ギャラ飲みに参加する女性
「空いた時間で飲み会とかに参加することで、副業という感じで。(報酬をもらって)一人暮らしとか、美容とかできるのが良いんじゃないかなって思います」
街の人は…

大学生
「私の周りだと、サークル友達で一緒に行くっていうのを聞いたことあります。(1回のギャラ飲みで)数万円くらい稼いだっていうのは、ちょっと聞いたことあるかもしれないです」

大学生
「学校の友達でいます。その子が誘ってくれて『やらない?』みたいな、ちょっとめんどくさいから『いいです』って断った」

こうしたギャラ飲みが広がるきっかけとなったのは、ギャラ飲み専用のマッチングアプリの登場でした。

利用する男女がクレジットカードや 銀行口座などの情報を登録することで、ギャラ飲みの報酬の支払いは、すべてアプリ内で行われます。
さらにコロナ禍になり、キャバクラやクラブなどで働いていた女性がギャラ飲みを“本業”とするケースも相次ぎ、登録者数が大幅に増えたといいます。

“ギャラ飲み”マッチングアプリ 運営会社役員
「(売り上げは)常に右肩上がりで、順調に推移しているような形ですね。いわゆる接待業とか接客業と言われるものがインターネットの時代の波を受けて、インターネット化して我々のようなサービスができているかなと」

JURIさん
「ここがわたしのサロンになります」
東京・麻布十番で男性用の脱毛サロンを経営するJURIさんは、ギャラ飲み界の“レジェンド”と 呼ばれる女性です。

JURIさん
「ギャラ飲みで稼いでオープンさせて頂きました」
ギャラ飲みの報酬で こちらのサロンを開いたほか、両親には一軒家をプレゼントしたといいます。

記者
「1か月でいくらくらい最高で稼いだことがあるのでしょうか?」
JURIさん
「1400万円です」
JURIさんは税理士と顧問契約を結び、ギャラ飲みの収入を管理し納税していました。
しかしギャラ飲みの報酬を 一切、税務申告していないという女性も多くいるとみられています。そこに2022年、国税のメスが入りました。