若い世代は公衆電話が使えるのか…

若い世代は、そもそも使うことができるのでしょうか。
記者:「いまからこの10円玉を渡して、この公衆電話を使ってもらいたいと思います」

まずは、高校生らしき人に協力してもらう…。

10円玉を渡して公衆電話から私(記者)の番号に電話をかけてもらいます。公衆電話を使うのは1年ぶりということですが…。
高校1年生 女子:「(カチカチッ)ん?」「あれ、えっ」


公衆電話(自動音声):「ありがとうございました。忘れ物にお気をつけください」

高1女子:「あれ、えっ」
公衆電話:「ありがとうございました。忘れ物にお気をつけください」

高1女子:「順番が逆だ」
かけ方の手順を間違えているようです。そして…

記者:「きました。少し手間取っているようでしたが、かかってきました」
高1女子:「お金を入れてから受話器を取るのか、受話器を取ってからお金を入れるのか分からなくなっていました。使っていないので忘れていますね」

続いては、公衆電話を1度も使ったことがないという小学5年生の2人組が挑戦。

小学5年生 女子:「こわいー(チャリーン)」
先ほどの高校生と同じく、先にお金を入れてしまいました。公衆電話とのにらめっこが続きます。
迷ったあげく、ギブアップです。

「わかりません。よくわかりません」
「使わなかったら分からないよ」


次の小学生は…。
小学5年生 女子「100円はおつりが?…えっえっえ」

ボックス内を見渡し、何かを見つけました。公衆電話のかけ方についての案内表示です。案内に従い、まず受話器を取りました。


「硬貨かテレホンカードを入れて、電話番号…(カチカチ)」

見事、電話をかけることに成功。ただ…


「あれっ(ドアの開け方わからない)」

電話ボックスから出るのに苦戦しました。
小学5年生 女子:「スマホとか使えなくなったら、何も頼るものがないから、こういう時に知っておいたら楽かなと思いました」

保護者:「1回くらいはやらせておいたほうが良かったかなという気はしました。家の電話番号は覚えているけど例えば、自分もそうだけど携帯電話に登録してあるから(番号を)覚えていなかったりするので、ちょっとずつ、教えておこうかなと思いました」


総務省が公表している統計データでは、富山県内の公衆電話の設置台数は、記録が残る1995年度で6357台でしたが、昨年度は1043台でした。この26年間で82パーセント減りました。
一方、携帯電話やPHSの契約数が90年代後半から急増していることが分かります。2021年度の契約数は、およそ2億件以上に上りました。いまや複数台持っている人も珍しくありません。
おととし全国で実施されたアンケート調査では、『公衆電話を過去1年間利用していない』と回答した人が、74パーセントにのぼりました。
利用する人も減り続け、使い方が分からないという実態も明らかとなった公衆電話。
では、なぜ、公衆電話があるのか?
NTT西日本富山支店で聞きました。

NTT西日本富山支店 藤村 渉広報室長:「地震などの災害発生時において、固定電話や携帯電話の通信規制がされた際の利用やスマートフォンをお持ちでない方が利用されるなど、状況に応じたニーズがあると考えています」

大規模災害が発生したとき、多くの固定電話や携帯電話には通信規制がかかります。しかし公衆電話は規制の対象外となるため、災害時の連絡手段として重要な役割を果たします。
