社会を震撼させる連続強盗事件。これまでに30人以上の実行犯が逮捕されているが、その多くが、闇サイトを通じて集められたことがわかっている。
TBS調査報道ユニットは、闇サイトで実行犯を募集するリクルーターに潜入取材。見えてきたのは、言葉巧みに犯罪に引き込む勧誘の実態と背後に潜む犯罪組織の影だった。
闇バイト“リクルーター”を直撃 「関東の叩きは僕が…」
1月中旬、私たちは「闇バイト」を集めているあるサイトにたどり着きました。そこには…

『即日50万 関東 叩き』
「叩き」とは、強盗を意味する隠語。
連絡先として、秘匿性が高い通信アプリ「テレグラム」のIDが記されていました。
記者
「じゃあかけます」
1月19日、テレグラムの「通話」がつながりました。
「リクルーターの○○と申します」
通話相手は「リクルーター」と名乗り、仕事の「役割」と「報酬」の説明を始めました。
叩き(強盗)のリクルーター
「叩き(強盗)に関しては、報酬は大体50~100万円です。それぞれ役割分担があって、見張る役とか物を運び出す役とか。きれいに段取り立てて、うちはやっているので基本的に失敗することはないです。一応、面接票みたいなの書いてもらうんですよ。覚悟がある奴はパパッと送ってくるんで」

これは、男から実際に送られてきた「面接票」。
住所や氏名に加え、「実家の住所」や「両親の連絡先」まで記載するよう求められました。
一連の事件でも、逮捕された容疑者の一人は「犯行グループに実家の住所を知られたことで、抜けられなくなった」と供述しています。
私たちは男に連続強盗への関与を尋ねました。
記者
「叩き(強盗)が関東で10件ぐらい3人組で起こっているが、捕まっていないですよね」
叩き(強盗)のリクルーター
「3人がすごく優秀っていうのもあります、正直」
記者
「3人組と○○さんは関係ない?」

叩き(強盗)のリクルーター
「いや全然関係ありますよ。だってあのグループ動かしているの僕らですから。関東で起こってる叩き(強盗)のほとんどの人間(実行役)は僕が入れてるんで」
男は「実行役を集めているのは自分」だと自慢げに語った。すると、この通話を終えた直後・・・狛江市の強盗殺人事件が発覚したのです。