豊かなアカマツ林で知られる南箕輪村の大芝高原(おおしばこうげん)。
およそ100ヘクタールの8割は人工林で、その半分をアカマツが占めています。
そのアカマツにいま、異変が起きています。

松くい虫による松枯れ被害です。

(藤城栄文村長)「ここ1、2年で急速に(松枯れの)被害が増えてきたのですぐに対応しなければいけない状況」
大芝高原での松枯れの被害は2017年に初めて確認。
村は幹に穴を開けて薬剤を注入する予防策を講じましたが、それでも2018年に13本だった被害が2022年はなんと126本に。
4年間で10倍近くに急増しました。
2030年度までにおよそ1万3000本のアカマツが「壊滅的になる」との見通しもあり、村は来年度から大規模な伐採と植樹に乗り出すことを決めました。
1月19日。
村は伐採を前に斧入れ式を開催。
身近な森林への理解を深める「木育」も兼ねて村内の小学生などが参加し、おのやのこぎりで切り込みを入れ、樹齢およそ60年の大木を切り倒しました。
(児童)「緑がたくさんある場所になってほしい」

伐採と植樹による森林の再生に加え、村が取り組むのが伐採したアカマツの再利用です。

そのうちのひとつが食用などに加工した「炭」。
無味無臭という食用の炭は、村の観光協会が数年前、研究開発に着手し、横浜市の企業が商品化しました。
その炭で村を盛り上げようと、始まったのが、「ブラメシスタンプラリー」です。




ローメンやパン、それにレモンサワーまで!
炭を使ったまさに「ブラック」な新メニューを村内の9つの店舗がそれぞれ開発し、スタンプラリーでめぐります。

見た目のインパクトが絶大な黒いカレーうどんも観光協会からの打診を受け1か月ほど試作を重ね、2022年10月から販売を開始。
日増しに注文が増えているといいます。


(客)「もちもちしていて麺がおいしくて体がぽかぽか温まるすごくおいしかった」
(そば処新兵ヱ・根津ちほり若女将)「正直黒いって出来上がったときに自分たちも思ったので果たしてこんなに黒くて大丈夫かなと、環境にもいいという取り組みに自分たちも協力できるというのはすごくうれしいことだと思う、村全体で問題に取り組めるのはいい企画だと思う」