東京の2つの百貨店が営業を終了しました。渋谷の東急本店と立川高島屋の百貨店エリアで、それぞれ半世紀以上街のシンボルだったお店です。渋谷の東急本店は地上36階の複合施設に生まれ変わる予定で、立川高島屋は全館専門店エリアにリニューアルします。百貨店の“ブランド価値”は世代間で違いがあるようです。

渋谷・東急本店が閉店 跡地は地上36階 複合施設に

渋谷の東急百貨店本店が1月31日、最後の営業を終えました。

東急百貨店本店 稲葉満宏店長
「長い間、東急百貨店を支えてくださった皆様、本当にどうもありがとうございました」

東急百貨店本店は1967年に開店して以来、半世紀以上もの間、渋谷のシンボルとして多くの客に親しまれてきました。

東急百貨店本店コンシェルジュ 上野直美さん
「この方が柄がハッキリしているので、見た目はこちらのほうがお似合いになりそう」

10年以上、コンシェルジュとして、お客さんと接してきた上野さんは…

上野直美さん
「きょうで『最後なんだ』『最終日なんだ』 という思いはありましたが、精一杯頑張ろうという気持ちで出社しました」

お客さんからは惜しむ声が聞こえてきます。

「55年間ありがとうございました」
「寂しいです」

東急グループは、渋谷で大規模な再開発を進めています。この百貨店の跡地は、2027年にホテルや賃貸住宅などが入る地上36階、地下4階建ての複合施設に生まれ変わる予定です。

さらにもう一つ…立川高島屋ショッピングセンターの百貨店エリアも1月31日、52年の歴史に幕を閉じます。

喜入友浩キャスター
「百貨店エリア終了にあわせて、店長がお一人お一人に今、バラの花をプレゼントしています」

立川高島屋 渋谷稔店長
「きょうは最後までありがとうございました」

立川では伝統的なバラの紙袋や包装紙も最後です。

買い物に来た人
「友達に何かプレゼントとか、そういった物を買いに来たり、ちょっとやはり特別なバラの包み袋ですよね」

買い物に来た人
「(普段)買い物に来ない人も、お中元・お歳暮は必ずここよと」

「お中元」などを送る際、百貨店の包み紙は“安心感”があったといいます。

しかし、こうしたブランド価値は世代間で違いがあります。

立川高島屋に初めて来た人(10代)
「(Q.高島屋の紙袋でもらうと、どう思う)何も思わない」
「(Q.立川高島屋どういうイメージ)ゴージャスな感じ。入りづらい、学生からしたら」

立川高島屋は今後、全館を“ファストファッション”や“家具店”などが入る専門店エリアにします。

専門店を増やすことで、客層が家族連れや若い人に広がるといいます。