ロシア外務省の高官はアメリカとの核軍縮の枠組みをめぐり、現在の条約の期限切れ後、後を継ぐ枠組みが存在しなくなる可能性があるとの認識を示しました。

ロシア外務省のリャプコフ外務次官は、国営ロシア通信が30日に報じたインタビューで、アメリカとの唯一の核軍縮の枠組みである「新戦略兵器削減条約=新START」が2026年に期限切れとなり失効した後、これを継ぐ条約が存在しない事態がありうるとして「我々は用意ができている」と述べました。

ロシア側が新STARTの後を継ぐ条約が締結できない可能性に言及したのは初めてで、新STARTの行方は、2026年までの間のウクライナ情勢や米ロ関係を含む、国際社会の動向にかかる形となっています。

また、リャプコフ氏は欧米がウクライナに主力戦車の供与を決定したことを受け、「アメリカがウクライナ危機の主導者だ」と述べ、ウクライナや欧米側と停戦に向けた「交渉をする意味がない」と反発しています。