記録的な寒波の影響で、先週から石川県内各地で相次いだ断水被害は、復旧作業が進み、8割以上で解消しました。一方、自治体は水質検査が終わるまでは飲み水として使わないよう呼びかけるなど、日常生活が完全に戻るには今しばらく時間がかかりそうです。

北陸放送が30日午後5時時点でまとめたところ、輪島市の1426世帯と、志賀町の130世帯で断水が続いています。志賀町は31日以降、順次復旧を進めることにしていますが、輪島市は全面復旧のめどは立っていません。一方、かほく市は30日正午までにすべての世帯で断水が解消したほか、宝達志水町も30日午前から水の供給が再開されています。

石川県内で最も多いおよそ5400世帯が断水したかほく市は、30日正午までにすべての世帯で水の供給が再開されました。

給水所を訪れた女性は「ちょっと濁っていたが、トイレは何とか使える。(洗濯は)コインランドリーも順番待ちで、開いている場所を探すのが大変だった」と話します。

かほく市内日角に住む能任千代乃さん(87)の住宅では、懸案だったトイレが再び使えるようになりました。能任さんは「水が出ないってことは生きていくために大変だと思った。水が出てうれしかった。水に感謝、ありがとう」とほっとした様子でした。

一方で、復旧直後は水が赤くさび付いたり、濁ったりするおそれがあり、かほく市は30日午後から各地で水質検査を行っています。

水質検査を行う職員

市上下水道課の河内満夫課長は「検査の結果が出るのは、2月1日の午前中と聞いているので、なるべく早く分析結果が出るようお願いをしていく」と述べました。

市は水質検査が終わるまでは、トイレや風呂などの生活用水の利用に留めて、飲み水として使用しないよう呼びかけています。

一方、かほく市は5年前の強烈な寒波では断水被害はありませんでしたが、今回5000世帯以上で被害が出たことについて、河内課長は「前回より今回の寒波の方が冷え込んだ。2日間にわたる寒波の冷え込みがあり、今回被害が広がった」という見方を示しました。

かほく市内の給水所

かほく市は31日以降も給水所の開設を続けるということで、市民の生活に日常が戻るまではまだ時間がかかりそうです。