◆食い違う監督と子供たちの“認識”

女の子「監督はずっと怒っていて、ほめたりも全然しない」
女の子「怒られたときは気持ちがどんよりしちゃうので、次も失敗します」
女の子「手が震えて打てないってときがありました」
男の子「優しいときもあれば、優しくないときもある」
保護者からも様々な声が聞かれた。

男性「普段は監督の顔色をうかがって意識することもあると思うけど、きょうはバレーの楽しさを純粋に楽しんでいる」
女性「怒られながらすることも必要かもしれない。たまにこうやってのびのびとすることで、また楽しいって思える」

「監督が怒ってはいけない大会」を企画した益子さんは、コートから少し離れたところで、指導の様子を見守った。試合が進むにつれ監督の指導にも熱が入る。その時だった―。
◆怒っていないつもりでも“威圧感”

寺田卓司監督「下がって!下がって!ラストボールの処理は誰がすると?自分が処理する意識持たな!」
益子さんは、この場面を見逃さなかった。「×」マスクが渡されると監督は意表を突かれた表情をみせた。

監督「怒ってないですよ!」
益子さん「すごい威圧感が大きいので、お願いします」
監督「え?」
監督は怒ってはいけない大会に参加し、怒らないことを意識していても怒ってしまった。その瞬間、自覚はなかった。益子さんは監督に対しても「怒らず」話しかけた。

益子さん「負けている時ほどほめてあげてください。たぶん私が選手でもひるんでしまうと思うんで。あんまり怒っている意識はないですか?」
監督「普段は怒っているかもしれないですね」
益子さん「負けたときほど次も頑張りたいという気持ちを持たせるために、反省だけじゃなくて、いいところをほめてあげる。ミスした人にタッチするのはよかったから、続けてあげてください」
監督「自分でも気は使っているつもりではいましたけど、声が大きい分、威圧感があるのかな」