
2019年秋の台風19号。

橋の崩落の影響で1か月余り運休を強いられ、設備も被害を受けました。
追い打ちをかけるように、新型コロナの流行で利用者はおよそ3割減少。
3期連続の最終赤字となりました。
土屋社長は経営改善のため、乗継割引の廃止などの増収策が必要だと説明します。
「これ(割引)を廃止すると一部の区間では申し訳ないが運賃値上げということになりますが、私共とすれば増収につながる、その金額が大体おおむね1億円弱くらいになるだろうと」
しなの鉄道は2021年11月、「コロナ禍を乗り切る経営改善策」を策定。
乗継割引の廃止のほか、・一部の駅の無人化・線路を長持ちさせるための列車の最高速度引き下げさらに、・列車本数を区間ごとに最大で12本減らすことなどを打ち出しました。
(利用者)「日中の列車は減らすかわりに通勤通学時間帯に本数や車両を増やせばいいのでは」
「なんでも値上がりしているので仕方ない、しなの鉄道しかないので、なくなるのが一番困る」

コスト削減に大きな役割を果たしているのが、新型車両です。
3年前から入れ替えが始まった新型車両=SR1系。
これまでなかったトイレも備え、乗り心地も向上していますが、最大の特徴は「省エネ」です。
新型車両は3月のダイヤ改正でも6両組み込まれ、半分近い26両が新型に。
前年比5割増しという高騰する電気代の負担軽減に、大きな役割を担います。
資産の有効活用も進んでいます。
軽井沢駅の東に広がるおよそ2万平方メートルの遊休地活用に向け、不動産大手の三菱地所と提携。
安定収入に期待がかかります。

そして、最近アツいのがこちら。
かつて特急が停まった小諸駅では、広い駅舎の活用が進んでいます。
3年前にはカフェがオープンし、住民や利用者の交流と安らぎの場として定着。
待合室には・・・。
駅そば店が、2021年開業し、地元の人や観光客に愛されています。
切り盛りする清野隆(きよの・たかし)さんは、小諸駅の元・駅長です。

さらに、鉄道と相性がよい「お酒を楽しめる施設」も近くオープンする予定で、エキナカの活用で収入を増やし、駅から地域の魅力を発信します。