ドイツは14両 アメリカは「エイブラムス」31両 供与決定
そうです。戦車部隊を組みますと、ロシア軍の防御を突破するんではないか。ただですね、航空戦力が必要だということで、ウクライナがもう既にドイツ、アメリカに要望してるようです。航空戦力でロシア側の後方拠点を叩くことが必要、それで初めてレオパルト2の威力が増すんではないかということなので、航空戦力がどうなるかっていうのがやはり次のポイントだと思います。
―――ドイツ国内では賛否があったようですね。
(三澤肇解説委員 元JNNベルリン支局長)レオパルト2は、中東なども欲しがる高性能のタンクなんです。かつてサウジアラビアに輸出しようとして、サウジアラビアが弾圧に使うんじゃないか、っていうことでドイツ国内で反対論が沸き起こって断念した経緯もあったぐらいです。ドイツは自分たちの兵器が他国で殺戮に使われることに対して厳しいんです。
―――ドイツですから、第2次世界大戦の反省という部分は国内世論にもあるわけですよね。
特にこのショルツ首相の所属政党である社民党(SPD)がやはり単独行動はとらない、二度と第2次世界大戦のような戦果は繰り返さないということを主張しましたので、やはり供与の遅れにつながったのかなと感じています。
―――ドイツにメリットはありますか。
供与することによって結束を強めることは当然あります。これまでは、天然ガスの問題もありロシアの顔色をうかがっているところもあったかもしれませんが、戦車供与によって事態はだいぶ好転することを見ていると思いますね。
―――今決まっているのが、ドイツがレオパルト2を14両、ポーランドはレオパルト2を14両、フィンランド「そう多くない数」、イギリスはイギリスの戦車「チャレンジャー2」を14両供与すると決まっています。そしてアメリカは「エイブラムス」31両、カナダは「レオパルト2」4両の供与が決まった。主力戦車の供与は長期戦を見据えた備えだが、佐々木教授によると「配備前にロシアの大規模攻勢の可能性がある」と、これはどういうことでしょう。
昨日、ドイツの新国防相が、3月末にはレオパルト2が届くのではないかと言われておりますが、アメリカ側ですね、むしろ訓練が熟練を増すまでウクライナ側に大規模攻勢をかけない方がいいということをどうやら要望しているようです。そのポイントを狙ってですね、ロシア側は「主力戦車が届く前に、特にドンバス地域を勢力圏に置こうとしておりますので、タイムラグを狙って早めに攻撃してくるんではないか」ということも指摘されております。(→後半の解説に続く)
(2023年1月27日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)














