■第42回大阪国際女子マラソン大会(29日、大阪・ヤンマーフィールド長居発着/42.195キロ)
東京五輪10000m代表の安藤友香(28)が日本人トップの3位でフィニッシュ。タイムは2時間22分59秒で、自身の初マラソンで記録した自己ベスト(2時間21分36秒)には届かなかった。
今大会は10月に開催されるパリ五輪選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)への出場権を得られるレースとなっており、新たに吉川侑美(32)、前田彩里(31)、池田千晴(29)、大東優奈(25)の4選手が出場権を獲得。すでにMGCの出場資格を得ている安藤はパリ五輪代表に向け好スタートを切った。
今大会は2011年以来、12年ぶりにコースを変更し記録更新が期待された。この日は晴天の中、スタート時の気温は7.5度と走りやすいコンディションでスタート。レースは最初の5キロで10人の先頭集団が16分39秒と2時間20分台を狙えるペースで通過。日本人選手はすでにMGCへの出場権を得ている安藤、岩出玲亜(28)、上杉真穂(27)、佐藤早也伽(28)がついていき、安藤は給水を取り損ねるハプニングも。
ペースは徐々に上がっていく中、7キロ過ぎで佐藤と岩出がお互いの足が接触し転倒。佐藤は右足を痛めた様子で集団から遅れていった。先頭集団は10キロを日本人国内最高ペースで通過。転倒の佐藤は徐々にペースを戻し、10キロ過ぎで遅れてきた岩出を捉え先頭との差を縮めていった。
先頭の15キロ通過は49分30秒で19分台を狙えるペースとなるが、18キロ過ぎで上杉が苦しそうな表情をみせ徐々に遅れはじめた。18.8キロ地点では転倒の佐藤が、両膝から血が出る中健闘の走りをみせるも監督に抱きかかえられ涙のリタイアとなった。
20キロ地点では先頭が日本人では安藤一人となり、通過タイムが1時間6分00秒と日本記録とほぼ同じペースに迫る高速レースの展開に。23キロで先頭はペースメーカーを除き3人に絞られ、安藤はフォームが崩れることなく安定の走りを続けていった。上杉は先頭から400m以上の差に。
30キロを1時間39分34秒で通過するとペースメーカーが外れ、優勝争いは安藤とエチオピアのデッセ、シセイの3人となった。エチオピアの2人がペースを上げると、安藤は少しずつ遅れていくが、31キロまでの1キロが3分5秒のハイペースになんとか食らいついていった。
安藤は35キロを1時間56分27秒で通過し、先頭のデッセと26秒差。20年に一山麻緒がマークした国内最高記録(2時間20分29秒)更新の可能性を残し、前の2人を追いかけていった。37キロ地点では1キロのラップが3分35秒とスピードが落ち口も開きはじめ、競技場までのあびこ筋に入ると苦しそうな表情をみせるも粘りの走りを続けた。
沿道から声援を受けながら40キロを2時間14分40秒で通過し、トラックに入った安藤は最後の力を振り絞り、2時間22分台の好タイムでフィニッシュした。
【大阪国際女子マラソン結果】
優勝 ヘヴン・ハイル・デッセ(エチオピア)2時間21分13秒
2位 メセレット・ゴラ・シセイ(エチオピア)2時間22分12秒
3位 安藤友香(ワコール)2時間22分59秒
4位 上杉真穂(スターツ)2時間25分18秒
5位 吉川侑美(ユニクロ)2時間25分20秒
6位 前田彩里(ダイハツ)2時間25分24秒
7位 池田千晴(日立)2時間25分59秒
8位 大東優奈(天満屋)2時間26分09秒