臨時国会がきょう召集され、高市早苗総理が所信表明演説を行いました。演説の内容を掲載します。

「法の支配に基づく国際秩序」を維持・強化

今、中東情勢を含め、国家間の対立が複雑化・常態化しており、私達が慣れ親しんだ「自由で開かれた安定的な国際秩序」は、大きく揺らいでいます。「力による現状変更」は、世界のどこにおいても許されない。我が国は、この原則をこれからも世界に訴えてまいります。

我が国は、国際司法裁判所(ICJ)、国際刑事裁判所(ICC)、国際海洋法裁判所(ITLOS)など様々な国際裁判所を一貫して支持し、判事を輩出しています。

こうした立場から、法の支配の重要性を発信するとともに、和平調停の取り組みを含め、紛争の平和的解決に、より積極的な役割を果たすなど、「法の支配に基づく国際秩序」を維持・強化してまいります。

「自由で開かれたインド太平洋 (FOIP)」を更に進化させ、同盟国・同志国との連携を強化し、地域の国々と共に、インド太平洋を、自律性と強靭性を備え、共に強く豊かになっていく地域にしてまいります。

「アジア・エネルギー・資源供給力強靭化パートナーシップ(POWERR Asia)」は、その具体的展開の1つです。

備蓄システム構築や与信供与などの協力を進めるとともに、産油国と消費国の連携を強化し、アジアのエネルギー安全保障と経済成長を後押しします。

北朝鮮の拉致問題解決へ「あらゆる選択肢を排除せず」

日米同盟は、我が国の外交・安全保障の基軸です。その抑止力と対処力を一層強化し、同盟を更なる高みに引き上げてまいります。

在日米軍の円滑な駐留のためには、地元を含む国民の皆様の御理解と御協力を得ることが不可欠です。沖縄県を含む基地負担軽減に取り組んでまいります。普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指し、辺野古への移設工事を進めます。

また、「地域未来戦略」の枠組みも活用し、「強い沖縄経済」を実現します。

重要な隣国であり、シャトル外交を通じて意思疎通を深めてきた韓国とは、日米韓の枠組みを含め、安全保障や経済など幅広い分野で、更なる関係強化を図ります。ASEAN諸国との連携を、更に深化させます。

さらに、インド、中東、アフリカ、中南米諸国を含むグローバルサウスとの関係も強化し、多極化する世界における日本の選択肢と存在感を広げていきます。

中国は、重要な隣国であり、課題がある中でも長年の積み重ねがあります。これを踏まえつつ、「戦略的互恵関係」を包括的に推進していきます。

一方で、東シナ海・南シナ海での様々な問題、日本周辺における軍事活動、威圧的措置、邦人の安全、人権上の懸念などについて、我が国の立場について主張すべきことは主張し、責任ある行動を強く求めていきます。

同時に、共通の課題について意思疎通を図り、国益を守るための対話を進め、建設的かつ安定的な関係を構築していきます。

北朝鮮による拉致問題は、現在進行形の人道問題であり、一刻も早い解決に向けて、首脳会談も含め、あらゆる選択肢を排除せず、取り組んでまいります。また、核・ミサイル開発は、断じて許容できません。

北方領土は、歴史的にも、国際法上も、我が国固有の領土です。ウクライナ侵略を続けるロシアとの関係は厳しい状況にありますが、領土問題を解決し、平和条約を締結するとの政府方針を貫いてまいります。