浴室や台所に生息する菌を吸い込むことで、肺などに炎症を起こす「NTM症」。
症状は長引く咳や痰、体重が減るなど結核に似ており、 場合によっては死に至るケースもあると言います。
年間2000人以上が亡くなっている「NTM症」の感染経路や予防法について、医師が解説します。

推計患者20万人以上「NTM症」

「NTM症」の正式名称は「非結核性抗酸菌症」です。
土や家の水回りなどに存在する「非結核性抗酸菌」を吸い込むと、肺で増殖し炎症が起こります。ヒトからヒトへうつることはありません。
中高年の女性に多く発症しますが、これは女性の気管支が男性より痰を出しにくい構造になっていることと、年齢により免疫が低下することが理由だとされています。

厚生労働省の発表では、NTM症患者数は人口10万人あたり210.2で、年に12~22%増加していると推定されています。
日本の人口に換算すると患者は26万人以上で、年に3万人以上増加していることになります。
厚生労働省は2026年度から「非結核性抗酸菌症啓発週間」を新設し、正しい知識の普及啓発を行っています。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:
NTM症は何十年も前からあるんですが、じわりじわりと増えていることが最近データとして出てきたので、注意喚起を進めているところだと思います。
クリニックに訪れるNTM症の患者も月に1〜2人になっているので、身近な病気になったと感じています。

NTM症の患者のレントゲンには、肺の一部が白く写ります。

恵俊彰:
肺炎とは違うんですか?

伊藤博道院長:
広い意味ではいろいろな肺炎のうちの一種です。レントゲンを見てNTM症と言い切るというより、CT画像に気管支拡張像がはっきりとあってNTM症が分かるというケースもあります。