工学部の4年生が改良し「ご近所さまに優しい仕様」に
イノシシやシカだけに反応する「AI=人工知能」を装置に組み込んだのです。これにより、不要な威嚇音が激減するといいます。
(岡山理科大学 教育推進機構 辻維周教授)「バッテリーの消費も、近所の方々の迷惑も少なくなると」
装置の改善に貢献したのは、工学部の4年生・中村佳生さんです。卒業研究で取り組みました。

(岡山理科大学 工学部4年 中村佳生さん)「最初の方は、頭にだけ反応したり、しっぽにだけ反応したりとか、全然結果が出なかったので、この方向で合っているのかは不安でした」

中村さんが取り組んだのは、イノシシとシカの写真を「AIに学習させる」作業です。4万枚を覚えさせ、識別機能を持ったAIを作り上げたのです。完成までには1年を要しました。
(岡山理科大学 工学部4年 中村佳生さん)「自分が作ったものが実際に使われて、やってきたことが実になったんだなというのがすごく感じて、うれしいです」
(岡山理科大学 教育推進機構 辻維周教授)「こんな優秀な学生がいるんだなっていうのは、本当に心から喜んで驚いております。もっと装置が広まっていって、農家さんの役に立つだろうと期待しています」

AIによる識別機能を搭載した装置は、今年秋ごろの実用化を目指し、準備が進められています。人間と動物の双方が住みやすい環境になれば…そんな目標の実現に向け、また一歩踏み出した獣害対策装置です。
(スタジオ)辻教授によりますと、他にも養殖のりを食べる鳥を追い払う「鳥ソニック」という装置もあるそうで、将来的には、すべての装置に識別機能を付けたいということでした。