「1日12時間訓練し詰めで休みもなくやって1両動かせるのに1か月」
レオパルト2は、車長、操縦手、砲手、装填手の4人が連携して運用する。それぞれが役割をマスターし、4人が連携するための訓練期間は最短で1か月を要する。
更に、戦車は3,4両が1小隊として機動するため、小隊としての連動訓練に最短1か月。つまり、戦車の供給が決まっても最低2か月は、ウクライナ兵が西側諸国へ行って訓練を受けなければならない。
元陸上自衛隊東北方面総監 松村五郎氏
「端的に言えば自衛隊ならば(乗員訓練に)3か月、(小隊訓練に)3か月の6か月です。それできちんとした訓練が出来るんですが、1日12時間訓練し詰めで休みもなくやれば1両動かせるのに1か月。また小隊で戦術行動が出来るまでに1か月。最短で2か月はどうしてもかかると思います。」
つまり2月にレオパルト2の供給が決まったとしても運用できるのは4月以降だ。プーチン大統領は3月までにドンパスを完全制圧するよう命令を下したとされるが、これを見越しての計算があったのだろうか?
防衛研究所 兵頭慎治 政策研究部長
「あったと思います。来年の3月の大統領選挙を予定通り行うにあたっての準備をプーチン大統領が始めてるっていう報道がロシア国内の主力紙でもある。それから逆算すると、ドンバスの完全制圧っていう戦果を早く上げないと選挙戦えないので、こういう命令出してるんですね。そうなるとレオパルトがいつ何両戦場に投入されてくるのか・・・。ロシア側からすると早く仕掛けないと、レオパルトが300両到着してしまうと、戦況が悪化してしまう可能性があるので、攻勢をかけるタイミングに影響するんじゃないか…」
もしもレオパルト2が300両導入されればウクライナにとって思い通りの大規模な攻勢が可能かもしれない。しかし、ロシアも手をこまねいているわけではない。