光を失った家族

今から48年前というのは、今のように明るい懐中電灯ってないんですよ。

豆電球でうっすら光るような懐中電灯1個持って、(近所で)当時から廃墟になっていたホテルはですね、もうバリケードがされてあって、入れない状態なんですが、当時考えたのは、めぐみが悪い奴らに連れ込まれて被害に遭ってんじゃないかっていうことも考えて、本当に今でも怖い思い出が鮮明に覚えてますけれども、3人で決死の覚悟で、うっすら光る闇の中に入っていってめぐみを探しに行きました。

そこに見えてくるものは、散乱した角材や廃タイヤしかなくて、もう怖くてその奥にも2階にも上がることができずに退散をして…。

中学校を探し、海の方に戻って(近くの)護国神社の松林の中を探し、海岸線を探し…。

そんなことを当時したわけなんですけれども、結果的にめぐみの手がかりを得ることはできませんでした。

めぐみがいなくなってから横田家は本当に、昨日まで明るかった食卓は、にぎやかな食卓でしたけれども、全く会話が途絶えたこと今でも覚えています。

色に例えると黒や藍色のような、すごく重苦しい雰囲気が漂っていたことを今でも覚えています。

自分たちが両親に「めぐみちゃんどうしたの?」とか、「めぐみ」っていう言葉を言ってはいけないような、そんなような雰囲気を悟りながら、当時9歳の双子の弟は過ごしていたことを今でも覚えています。