習主席は海洋権益や主権の争い「譲歩しない」
Q.習近平国家主席は領土問題を重視する考えを示しています。
増田雅之 中国研究室長
海洋をめぐる権益・主権の争いについて習近平国家主席は2012年の総書記就任当初から「譲歩しない」ということを繰り返し述べてきました。今年の春に出版された中国共産党の理論誌の中でも断固として海洋の権益を守るというメッセージを習主席の名前で出しています。ですから、この問題について「中国が譲歩する可能性があると相手に感じさせない」というのが基本的な政策のラインなのでしょう。
海上法執行機関である海警局を中央軍事委員会の指揮命令系統の下に置いたことも、習主席自らが指揮するという意志の表れだと思います。
Q.習近平政権にとって尖閣諸島はどのような位置付けなのでしょうか?
増田雅之 中国研究室長
中国は「尖閣諸島は日本に奪われた」と主張していますが、それは「台湾の付属島しょ」としての尖閣諸島という位置付けが中国側にはあります。中国は台湾の分裂阻止や将来的な統一に向けた軍事力の強化、グレーゾーン戦術の強化を進めていますが、尖閣諸島への対応はその一環として位置付けられている可能性があります。
中国は太平洋に出るために九州沖から沖縄、台湾、フィリピンを結ぶ第1列島線を突破しなければならないと考えています。そこで、突破できる場所、脆弱な場所を探しているのだろうと思います。中国軍が宮古海峡を通過して太平洋に進出する動きが活発化していますが、日本が中国軍の動向をチェックしています。台湾の南にあるバシー海峡を含め突破できるポイントを多様化させるという考え方が中国軍にはあるのだと考えています。尖閣諸島の軍事拠点化は難しいですが、尖閣諸島や台湾周辺での軍事オペレーションの常態化、グレーゾーンの強化によって太平洋側に展開する傾向が強まっています。














