「もう一度製油所を攻撃し、再稼働できないようにする時だ」

――ロシア国内の製油所への攻撃で「黒い火花」は具体的にどのような役割を果たしているのか、ウクライナ軍の攻撃の効果を高めるための具体的活動を可能な範囲で教えてください。

彼ら(「黒い火花」)には、ウクライナの情報機関が集められない情報を収集できる能力があります。その情報によって、攻撃をより適切なタイミングで、より正確に行うことができます。例を挙げましょう。

最近「黒い火花」がウクライナ国防軍と共同で攻撃した製油所は、ロシア西部の「リャザン製油所」です。石油処理量でロシア第3位、モスクワ地域への石油製品供給という点では第2位の製油所です。つまりロシアの石油精製業界でも最重要級の企業です。「リャザン製油所」は、それ以前にも数回攻撃を受けています。それまでの攻撃には「黒い火花」は参加していませんでしたが、彼らは状況を監視することができました。この製油所は「ロスネフチ」(ロシア石油大手)が所有していますが、そこに新しい設備が搬入され始めたことを把握できたのです。
つまり修理が、工場を再稼働できる段階まで進んでいたということです。

先ほど「タイミング」が重要だと言いましたが、彼らはその情報を集め「今こそもう一度攻撃して、再稼働できないようにする時だ」と伝えました。さらに、どの製油所も非常に広大です。最大の損害を与え工場を停止させるには、どこを攻撃するのが最も効果的かを正確に知る必要があります。それを可能にしているのは、彼らの中にロシアの石油・ガス産業に直接関係する人々がいるからです。つまり、その情報にアクセスできます。ウクライナ国防軍の情報部門には、その種の機会がないのです。

――「黒い火花」は施設の弱点に関する情報を提供していると言えるのですね。

それに加え攻撃のタイミングが重要で、いつ攻撃するのが最もよいかを知る必要があるのです。私が「リャザン製油所」を例に挙げたのは、ここがすでに何度も攻撃されていたからです。復旧作業が繰り返され、再稼働されていました。それを防ぐには、新しい設備が運び込まれ、設置を始めたまさにそのタイミングで攻撃する必要があったのです。

そのタイミングは、衛星が使えたとしても追跡するのが非常に難しい。しかもウクライナには自前の衛星がありません。「黒い火花」にはそれを把握できる可能性があります。さらに、選択肢として場合によっては、こうした工場に出入りできる人が追加で爆発物を仕掛けることもできます。それによって攻撃の効果を強められる。まさに相乗効果です。国防軍の攻撃に追加の爆薬を組み合わせれば、工場の損害を大きくできます。