なぜ「函」の漢字なのか?扇状の地形と一文字の歴史

だが、謎は、もう一つある。なぜ「函(かん)」という漢字が選ばれたのか?

函館市文化財課 野村祐一主査
「今の『函』という字は、函館の地形を表しているのかなと」

扇状に広がるマチの地形が「函」の字に重なる…野村さんは、そう考えている。

函館市文化財課 野村祐一主査
「国が正式に地名を変えることは、あまりないことだと思う」

海から見た“館”の姿から「箱館」と呼ばれ、時代の転換点に「函館」と改められた港町。

誰もが何気なく書く、その一文字に、570年の歴史が刻まれている。

【調査結果】「箱」から「函」へ…定着までに起きた混迷

箱館の一文字が変えられたワケは、「新しい時代へ進もうという決意が、込められていたのではないか」ということです。

ただ明治2年の変更決定後も、すぐに定着したわけではありません。

『箱』と『函』が混在してしまったことで、さまざまな場面で混乱が起きてしまい、明治政府は改めて7年後「函」に統一するように指示してようやく落ち着いたとのことです。

慣れ親しんできた竹かんむりの『箱』という一文字への思いも、地元ではあったのかも知れませんね?

今ではあまり語られることがなくなった港町の歴史が、「函館」の一文字には残されていました。