世界各国の15歳を対象に去年、OECD=経済協力開発機構が行った学力調査の結果が公表され、日本が「科学」「読解力」「数学」の全ての分野でトップクラスの水準となりました。

この学力調査は、15歳の生徒が義務教育で学んだ知識や技能を実生活の課題にどの程度活用できるかを測るもので、パリに本部を置くOECDが2000年から3年ごとに実施しています。

日本では高校1年の生徒が対象になっていて、去年行われた調査では、▼科学的なアプローチで問題解決に取り組む能力『科学コンピテンシー』や、▼『読解力』、▼数学的な思考力や応用力を示す『数学的リテラシー』の3つの分野すべてでOECD加盟国の中で日本が1位となりました。

2015年以降、OECD加盟国の平均得点は低下しているものの、日本は横ばいの状態が続いているということで、背景に保護者の学歴や家庭の所有物など子どもを取り巻く社会経済文化的背景(ESCS)の水準が一貫して高い傾向にあることが指摘されています。

さらに、学力調査と同時に行われたアンケートで、学校の学習活動におけるパソコンやタブレットなどデジタル機器の使用時間を尋ねたところ、1人あたり1日1.7時間とOECD加盟国の平均と同じだった一方、学校の勉強におけるAIの利用頻度はOECD加盟国38か国のうち38位と最も低かったことが分かりました。

調査では、学校でデジタル機器を「適度に使用する場合」、科学コンピテンシーの平均得点は高い傾向にあった一方、「使用しない場合」、また「長時間使用する場合」は低い傾向が見られたということです。

さらに、学校の学習でAIを適度に利用する生徒は、そうでない生徒に比べて、科学コンピテンシーの平均得点が高い傾向にあることも明らかになりました。

これらの結果を受け、文部科学省は学校現場でAIを適切かつ安全に活用できる環境整備に向けた取り組みを進めたいとしています。

一方で、OECD加盟国38か国を含む世界91の国と地域では、『科学コンピテンシー』と『数学的リテラシー』は、中国の「北京・上海・江蘇・浙江」が、『読解力』ではシンガポールが1位となっています。

【3分野の上位5か国は以下の通り ※5か国のうち、OECD加盟国は日本のみ】
▼科学コンピテンシー(平均得点)
1位 北京・上海・江蘇・浙江 597点
2位 シンガポール 560点
3位 マカオ 541点
4位 台湾 540点
5位 日本 538点

▼読解力(平均得点)
1位 シンガポール 535点
2位 北京・上海・江蘇・浙江 527点
3位 台湾 508点
4位 日本 503点
5位 マカオ 501点

▼数学的リテラシー(平均得点)
1位 北京・上海・江蘇・浙江 612点
2位 シンガポール 563点
3位 マカオ 549点
4位 台湾 546点
5位 日本 525点