「売る側」にだけ罰則がある売春防止法の改正に向けた有識者検討会で、法務省がきょう、報告書案を提示しました。「買う側」の勧誘などの行為についても新たに罰則を設ける方向で一致しました。

東京・歌舞伎町のホテル街。現在、この周辺で問題となっているのは、「売春の客待ち行為」です。

路上売春をしている女性
「めっちゃ稼いだ日は、8~9万円くらいですかね」

売春行為は「売る側」と「買う側」がいて成立するものですが、摘発されるのは「売る側」だけです。

売春防止法では、女性が大半を占める「売る側」の勧誘などに罰則が設けられている一方、男性が大半の「買う側」には罰則がないためです。

こうした現状に批判の声が上がり、法務省は今年3月、法改正へ向けた議論を進めるため検討会を設置しました。

NPO法人ぱっぷす 金尻カズナ 理事長
「(売る側の女性は)本来サポートが必要にもかかわらず、摘発の対象になってしまうことで、さらに孤立化していく。それに対して、買春の勧誘について全くの野放しの状況に大きな問題がある」

一方で、路上売春をしている当事者からは、こんな声も。

路上売春をしている女性
「(買う側に罰則が設けられると)私たちからしたら、稼ぐ方法がなくなる。もう稼げないってなったら、たぶん死んじゃう子が多くなっちゃいそう」

専門家は、「買う側」への罰則強化により、見えないところで売春が行われるようになることを懸念しています。

神戸大学 青山薫 教授
「インターネットで、どんどん取引をするようになる。(売春の)取引をせざるを得ない、したい人には危険が増す」

法務省はきょうの検討会で、取りまとめに向けた報告書案を提示。焦点である「買う側」の勧誘などの行為に対し、新たに罰則を設けるとしています。

法務省は来月にも報告書案を取りまとめ、法改正を検討していく考えです。