人の住む地域にクマを出没させないためにはどうしたらよいのか。日本の原風景をヒントにした北海道当別町で始まったプロジェクトで鍵を握るのは、牛です。
現場を訪れた人は、その不思議な風景に驚かされます。

片山侑樹記者
「こちら一見、雑草が生い茂る場所なのですが、ご覧ください。近い距離に牛がいます。ここ牛の放牧地になります」
高く伸びた雑草を牛が黙々と食べています。
片山侑樹記者
「おいしいですか」
牛
「(すごくおいしいよ)」
のんびりとした、この牛たち。実は、重要な役割を担っているのです。

長沢祐記者(2019年)
「私たちの目の前を2mくらいでしょうか。クマです」
北海道内などで問題になっているクマの人間の生活域への出没。その原因の一つに「里山の減少」があるといわれます。
里山は、人間が生活する地域と動物がすむ地域との間にある、維持管理された土地のこと。
この人とクマとの緩衝地帯の役割を担っていた里山が人口の減少で姿を消し、人の住む地域と動物のすむ地域の境界が曖昧になって動物が侵入してしまうのです。
北海道当別町のスキー場跡地です。運ばれてきた4頭の牛たちに期待が集まります。

ファームエイジ 小谷栄人取締役
「私たちの放牧と野生動物のノウハウをもって、持続的に維持管理、すみ分けができないだろうかと考えた」
牧場の経営サポートや電気柵の設置を手がける当別町の「ファームエイジ」が町や大学と連携し取り組むのが「SUMIWAKEプロジェクト」です。
雑草が生い茂る荒れた土地にアンガス牛4頭を放牧。牛の力で里山と同じ役割を担う緩衝帯をつくろうというのです。牧場の管理者を務める田中さんです。

牧場の管理をする 田中純平さん
「人間が緩衝帯をつくるときにやぶかりをするが、非常に大変。牛や馬が食べることで(やぶが)なくなり、たんぱく源になり、野生動物対策にもつながる」
「SUMIWAKEプロジェクト」は当別町で3年間、実証実験を行い、クマと人が共存する新たな地域モデルを目指します。
世永聖奈キャスター:
牛がクマに襲われないか?心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが田中さんによると、家畜を襲うクマは少なく、飼料や家畜の死骸を放置しなければ心配ないと話しています。
堀啓知キャスター:
この「SUMIWAKEプロジェクト」ですが、次は馬の放牧も予定しているということです。














