北海道京極町の農業法人で働く特定技能の19歳~33歳のミャンマー人女性4人が、町議も務める実質的な運営者の親子から暴力やセクハラ被害を受け、札幌市内の教会へ逃走・保護された。現場では野菜の投げつけや下半身を見せつけるなど壮絶な人権侵害行為が横行。ミャンマー人らは暴力や暴言の音声を密かに録音し、被害を告白した。取材班に対し親子は無回答を貫いていたが、事態は外国人労働者全体の受け入れ体制を揺るがす局面へと展開する—《HBC報道部 山﨑裕侍 熊谷七海》
「日本のご主人様は誰だ!」残されていた暴言録音データと違法な「帰国強要」
「おはようございます」ミャンマー人らが声をそろえて挨拶する。
複数の録音データを聞くと、現場を仕切る60代の父親と40代の長男、次男が彼女たちの挨拶に応える様子はなく、いきなり怒鳴り声が響くことも多い。
「だめだ帰れ」「やる気がないなら帰れ」
親子は日本語での指示がうまく届かないことにいら立ち、ミャンマー人らを威圧するような音声が記録されている。
長男
「日本語を半分も理解してねえ。言われたことしねえんだ。こんな奴はいらない」「今日見ていて、やらないんだったら給料は半分だからな」
父親
「悪い奴は待てないから(ミャンマーに)帰すから、代わりは来るから」
長男
「態度悪い奴には仕事させない」
ミャンマー人を見下したような発言も収録されている。
長男
「バカども、どいつもこいつも、質悪すぎる」
父親
「誰から給料をもらっている。日本のご主人様は誰だ!」
法人の事務所から現場の畑までは、長男らがワゴン車で送り迎えする。
長男
「乗れ!早く、早くといったら走って乗れ、コノ」
別の録音データでは、在留カードやパスポートを取り上げると迫ったり、「ミャンマーに帰す」と脅したりするような発言もたびたび残されている。
父親
「仕事をする気がないなら(ミャンマーに)帰す。ほら、今すぐ帰してやるから。在留カードを出せ、お前の在留すぐ取り返してやるから」
「理解できないなら帰れ、みんなまとめてミャンマーに帰してやるから。インドネシア人でもベトナム人でもお前らの代わりくらいすぐにいる」
特定技能の受入れ機関が外国人のパスポートや在留カードを本人の意思に反して取り上げることは特定技能基準省令(第2条)で禁止されている。また、特定技能外国人を「仕事ができない」という曖昧な理由だけで途中で解雇することは原則として極めて困難であり、法的に認められていない。日本人と同様に判断されることが原則で、労働基準法3条で禁止されている。














