「戦争は人間がやるもんじゃない。人間が相手を人間として見なくなる」

私はこれまで幾人もの特攻隊員を取材したが、その全ての人がこう話した。人間が相手を人間として見なくなるとは、敵国の兵士のことだけではない。上官ですら、味方であるはずの自分たちのことを人間として見なくなるという意味だと知り、戦争の怖しさを痛感した。

私が取材した特攻とは「神風特攻隊」を頂点に多種多様なものばかりだった。

頂点にという表現には意味がある。多くは特攻の花形的存在だった軍用機に乗りたかったというが、終戦間際になるとその飛行機も少なくなっていたため、潜水艇が使われた。それが人間魚雷と呼ばれた「回天」だった。

爆薬を搭載し、敵艦に向かって突き進む「鉄の棺桶」でもあった。
しかし、その回天にすら乗れなかった者はさらに過酷な特攻に搭乗することを余儀なくされたという。