「もう砂川の街中では撃たない」ヒグマから住民を守ってきた男の重い決断
猟銃を取り戻した直後の4月中旬、池上さんの姿はライフル射撃場にありました。猟銃所持免許の更新に向けた実技研修で、7年ぶりの感触を確かめるためです。
しかし、池上さんはある重い決断を下していました。「砂川では外では一切撃ちませんよ。私の様な目に遭うことがまだまだ起きるということがあるわけだよね」
最高裁は確かに道の処分を違法としましたが、2審の高裁が指摘した「跳弾の危険性」などについて完全に払拭したわけではありません。環境省が定めた「緊急銃猟」の新しいガイドラインに適合するような、100%安全が保証される場所など、市街地には存在しないと池上さんは考えています。

結局、要請を受けて現場に赴き、引き金を引くのはハンター個人の責任になります。「発砲して何事もなければ感謝されるが、万が一の事態が起きればまた責任を被せられ、猟銃を取り上げられる」。その構造的な欠陥は、最高裁の判決を経ても本質的には変わっていないと見抜いているのです。
近隣住民が「お巡りさんや役所の人が来ても気を付けてと呼びかけるだけだから」とハンターに頼り切る状況のなかで、池上さんは「こっちは当たり前のことしてるだけだから」とボランティア精神で応えてきましたが、もはや限界に達していました。














