戦後、ソ連によって約60万人の日本人が、極寒のシベリアなどに連行され、強制的に働かされたシベリア抑留。「過酷な経験を紙芝居にして後世に伝えよう」と、岡山の高校生が当時の資料を見学しました。


(平和祈念展示資料館・学芸員 高倉大輔さん)「この防寒用のコート、元々は長袖だったんです。当然、防寒用ですから。なぜ袖がないかというと、あまりの飢えに耐えかねて、袖の部分をソ連人にあげて、パンと交換してもらったそうなんです」

シベリア抑留者や海外からの引揚者など、終戦後も苦しんだ人々のことを伝える「平和祈念展」です。きのう(19日)山陽学園高校のJRC部員3人が訪れました。

ボランティアや平和活動に取り組むJRC部は、おととし原爆をテーマにした紙芝居を作りました。今年はシベリア抑留をテーマに紙芝居を制作中です。

脚本担当の3年生、勇乃衣(いさみ・のい)さんです。今年100歳を迎えるという彼女の曽祖父は、シベリア抑留者でした。


(山陽学園高校 勇乃衣さん)「私の曽祖父が森林伐採をして橋を作っていた、と聞いていたので、『こういう道具を使って作っていたのか』とか、『これだけつらい経験をした人がいるんだよ』というのを伝えられたらなと」
戦争経験の語り手が減り続ける中、高校生にできることを考え続けます。

(生徒は)
「授業でも流されるというか、『シベリア抑留がありました』くらいであまり詳しくは触れられないので。ウクライナで戦争が起こっているので、その重大さを伝えられたら」

「紙芝居を通して、いろんな世代の方に知ってもらえたらいいなと思います」

山陽学園高校JRC部では、作った紙芝居を地域の小中学校で披露することにしています。