笑顔で威嚇「魔除けの埴輪」
にっこり顔が印象的な「盾持人物埴輪」も貴重な埴輪。大きな耳と鷲鼻、しゃくれた顎をもち、目は三日月形に切り抜かれ、口は口角を上げて笑っているような表情ですが…

学芸員・太田さん:
「実は“威嚇の表情”だと言われている。口の部分に注目すると、3か所ほど上下にくぼんでいる部分がある。おそらくそこには白い石がはめ込まれていて、“歯をむき出しにして威嚇している”」


一体何に対しての威嚇だったのでしょうか?
学芸員・太田さん:
「古墳の入口に外側を向いて置かれていたので、古墳に葬られた人を悪いものから守る役割、“魔除けの埴輪”と考えられている」

埴輪には、それぞれ役割や願いが込められているとのこと。貴重な埴輪の数々に大人も子どもも夢中になっています。
▼中3女子:「目の形、口の形が全部1つ1つ違う。昔の人たちの個性が出ている感じがする」
▼小4女子:「歴史の中で埴輪が一番好き。埴輪がいっぱい並べてあるから本当に古墳にいるみたい。すぐ間近で見られるところもいい」
高度に発達していた「ガラス工芸」
見どころは埴輪だけでなく、学芸員・太田さんイチ推しなのが約1500年前に作られた「重層ガラス玉」です。

直径わずか5mmほどで、虫眼鏡で見ないと分からないぐらい小さいサイズ。ガラスとガラスの間に銀箔を挟んだ「重層構造」になっていてとても珍しいものだといいます。

学芸員・太田さん:
「真ん中に穴が開いているビーズとして、耳飾りやブレスレットなどに使われていたと考えられている。ガラス工芸は非常に高度に発達していた」

ガラス玉作りに関する貴重な資料「ガラス小玉鋳型」もオススメです。
粘土を焼いた平たい板の一面に、小さな丸い穴がいくつも。ガラスを溶かしてビーズにするための鋳型です。

学芸員・太田さん:
「校舎を新しく造るため試掘調査で遺跡が見つかり、全部で192点の鋳型が1か所の遺跡で見つかった」

実はこれ、それまでに全国で見つかっていた数を大きく上回る大発見。中でも特に貴重なのが、全国で初めて出土した「完全な形の鋳型」で、きれいな丸型で残っているのは博物館にある1枚だけなのです。

学芸員・太田さん:
「遺跡の近くにガラス小玉の工房があって、ガラス玉作りの職人たちの住居が存在したのかもしれない。教科書だけの勉強ではなくて、博物館に来て実物を見て刺激を受けていって欲しい。普段生活している足元には、何千年もの歴史が埋まっているということを思い返すきっかけにして欲しい」
(THE TIME,2026年8月3日放送より)














