”小樽時代の経験”

北海道小樽市内の坂道
北海道小樽市内の坂道

堀内:
朝倉かすみさんは小樽のご出身ですよね。小樽の思い出で好きだった場所などはありますか?

朝倉かすみさん:
もう無くなっちゃったかもしれないですけど、青少年科学館のプラネタリウムを見に行ったり、そこから市役所や図書館の方へ行く道にあって……ソフトクリーム屋さんとか、あの辺がすごく好きでしたね。

堀内:
小説づくりに小樽時代の経験が影響していると感じることはありますか?

朝倉かすみさん:
あると思いますよ。どれを書いていてもそれがあるんじゃないかな。
初めて時代小説を書いた時に、子供の時に聞いていたおじいさん・おばあさん達の言葉が、江戸時代の言葉にすごく近かったんだなと思い出しました。
今の言葉より、そっちの方が感覚的に近いぞという感じはありますね。

堀内:
今回の『けんぐゎい』を私も読ませていただきました。時代は違えど、生きることの絶望や悲しみ、喜びは今の我々と重なるものがあるなと感じたり、ラストの光が見えてくる感じにエネルギーをもらいました。この本を通していちばん伝えたかったことは何ですか?

朝倉かすみさん:
特にないです(笑)。そういうタイプではないんです。
「こういうことを伝えたいのかな」と思って読むと、たぶん楽しくないと思うんですよ(笑)。
ただ読んでその中に没頭できたら素晴らしいし、「ここが好きだった」「ここは納得いかなかった」と思えればそれで十分素敵な感想になると思うんです。
読んだらその小説はその人のものになるんだから、私がどう思っているかは関係ないです。