「公式おばあさんです」(笑)

堀内:
女性では最年長での受賞などと言われることも多いかと思いますが、そう言われること自体についてはどう感じられますか?

朝倉かすみさん:
全然どうということはないです(笑)。
私はデビューが42、3歳で遅かったので、人の印象に残るとするならば老婦人になってからだろうなというイメージがずっとあったんですよ。
老婦人として印象に残っている作家って日本に多くて、森茉莉さんとか、宇野千代さん、幸田文さんとか。だからそっちに行けたらいいなというのはちょっとあったので、むしろウェルカムな感じです。

堀内:
他の記事では「公式おばあさん」という言葉もありましたが。

朝倉かすみさん:
65歳になった時に、日本の法令では前期高齢者に入っちゃうから、「これはもう公式だ」と思って「公式おばあさんです」って(笑)。

堀内:
ここまでの歩みの原動力みたいなものを振り返ると、何だったと思われますか?

朝倉かすみさん:
わからないです。歩んでいる感じがしないので(笑)。
人間が歳を重ねていく過程のままでやってきたので、身体が疲れるのが早くなるとか集中力がなくなるとかをどう補おうかと、毎年ちょっとずつスタイルを変えていくことを考えていただけなので、「すごい進んできた」という感じはないです。
気づいたらここにいたという感覚ですね。