議論を呼ぶ “悲惨な展示を子どもたちにどう見せるか”

その中で議論を呼んでいるのが「悲惨な展示を子どもたちにどう見せるか」です。原爆投下直後の傷ついた人たちの悲惨な写真などが展示されるエリアを壁で仕切って入口に注意書きの看板を設置。子どもたち自身に見るか見ないかを「選択」してもらう案が出されたのです。この議論の背景には子どもたちへの心理的配慮があります。

臨床心理学が専門の広島大学の上手由香准教授は「原爆の凄惨な絵であったり写真っていう、そのインパクトだけ残ってしまう」と指摘します。新展示検討会の委員でもある上手准教授は、来館した小学生を追跡調査。すると、1か月程度経っても、就寝前に思い出したり、夢に展示が出てきたりする児童が複数居ることがわかりました。

上手准教授は、子どもたちに“怖い”という感情だけが植え付けられ、原爆や平和について学ぼうとする意欲が低下するのではないかと懸念を示します。そのうえで、「もし怖かったら一旦見ないという選択をすることも権利として守られている。それだけで子どもたちの安心感が出てくると思う」と話していました。