300年以上続く奇祭の目的は、「はやり病」を鎮めることです。毎年1月19日に行われる岩手県西和賀町の伝統行事、「白木野人形送り」が今年も行われました。

 西和賀町の白木野(しろきの)地区に江戸時代中期から伝わる「人形送り」は、わら人形に地域の疫病神を背負わせて送り出すという祈りが込められています。
 住民によりますと過去に1度だけ中止になった年は、病気が流行したと言います。
 19日は午前9時から住民15人ほどが参加し、持ち寄った稲わらを使って古式ゆかしく人形を作りました。
 身の丈1メートルほどの人形は、刀を差した侍のような格好をしていて、子宝に恵まれるようにという願いもあります。

 そして完成した人形は集落の境に担いで運ばれます。地区の外から病気が入るのを防ぎ、無病息災を祈ります。
 およそ1キロの道のりでは決して後ろを振り返ってはならず、人形は森の高い場所にある木にくくりつけられました。

(ほら貝を担当 中島大樹さん)
「世界中でも疫病が流行っているので、この行事は江戸時代中期から行われている行事なので、今の時代にもぴったりなので、早く感染が落ち着くことを願っています」

 新しい人形はこの場所でまた1年間、地域のお守りとしてまつられます。