環境にあわせて色が変化することも
(東洋産業 大野竜徳さん)
「そんな環境の自然選択のうち、人の手によって環境が変わったせいでごく短期間のうちに起こった生き物の色の変化があります。
『オオシモフリエダシャクの工業暗化』です。オオシモフリエダシャクはシャクトリムシの仲間で、灰白色のガ、時々黒っぽいものが出てくることで知られています。
19世紀のイギリスでは、産業革命によって木の幹がすすで黒く汚れました。すると、それまで目立たなかった白いガは天敵である鳥に見つかりやすくなって数が激減、逆に黒い個体が生き残るようになりました。
ちなみに、現在では環境改善によって黒っぽいものは再び減少して白っぽいものが多数を占めるようになっているそうです。
さらに研究によってその体色変化を引き起こす具体的な原因遺伝子や変異の仕組みが科学的に完全に特定されています。これは自然選択を示す代表例として、生物学の教科書にも登場します。
もし、ふたたびある地域で黒い体色が有利な環境が長く続けば、黒い個体が少しずつ増えていく可能性があります。
誤解してはいけないのは、『黒い方が生き残るために黒くなった』のではありません。最初から黒い個体も白い個体も存在し、その中でたまたま環境に合っていたものが生き残っただけなのです。
同じ種類と括られる生き物の中でも個性は様々、これも多様性で、このガも白いものばかりだったらひょっとしたら絶滅してしまったかもしれませんが、このおかげで生き残ることができたのかもしれません」














