“普通の暮らし”に「時給1924円」必要 価格転嫁できる環境づくりが課題か

藤森祥平キャスター:
労働者側の目線でのデータもあります。

全国労働組合総連合の試算によりますと、東京都内で“普通の暮らし”を送るには月に「28万8664円」必要であると言われています。月150時間働く場合には、時給1924円必要になるということです。最低賃金とは開きがありますね。

小川キャスター:
最低賃金からは程遠いですからね。

生活が回っていかないという現状がありますし、今後も物価高が続いていくことが予想される中、賃上げも欠かせないという状況。一方で企業の負担も重い。このバランスをどう考えていくべきかですね。

教育経済学者 中室牧子さん:
東京大学の川口大司教授らの研究によると、最低賃金で働く労働者の50%は「世帯年収が500万円以上のパートタイムの既婚女性や学生アルバイトではないか」という研究もあります。

最低賃金を上げたところで、低所得の労働者を救えるのかというと、必ずしもそうではないかもしれないということです。

最低賃金を上げることは重要だと思いますが、それだけで低所得の人たちを救うことはできないので、いま議論になっている給付付き税額控除など、他の政策も組み合わせて救済をしていく総合的な政策が必要だと思います。

藤森キャスター:
海外では最低賃金を引き上げても雇用に影響しないのに、なぜ、日本は雇用に影響してしまう傾向にあるんですか?

教育経済学者 中室牧子さん:
価格転嫁ができるかということがポイントだと思います。海外では、最低賃金が上がった時に価格に転嫁をすることで、雇用に影響しなかったのではないかと言われています。

現在は価格転嫁が非常に難しいという問題があるので、価格転嫁できるような環境を作っていくことが重要なポイントだと思います。

小川キャスター:
本当に“価格転嫁が難しいのか”という検証も必要になってきますね。

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<プロフィール>
中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」