今後の展開

現在の無花粉スギはMS1を中心に利用されていますが、MS2MS4を含む複数の雄性不稔遺伝子を利用できるようになると、成長や材質などに優れた個体と無花粉の形質の組み合わせの選択肢が広がります。これは、花粉の少ない苗木の生産拡大や、花粉発生源対策の加速に貢献すると期待されます。

今後はGELP遺伝子の機能と花粉の形成過程をより詳細に調べる研究が必要とされます。例えば、品種改良加速技術(ゲノム編集技術)を研究手法として用いてスギのGELP遺伝子を改変して花粉形成への影響を調べることで、MS2タイプの無花粉化の仕組みを明らかにするとともに、複数の雄性不稔遺伝子を用いた無花粉スギ活用の高度化につながると期待されます。

(この研究成果は2026年5月19日にBMC Genomics誌でオンライン公開されました。)