幼苗段階での選抜を可能にするDNAマーカー
研究グループはさらに、この遺伝子の1塩基の違いを検出する簡便なDNAマーカーを開発しました。S40F の原因となる変異は、DNA配列上ではCからTへの1塩基変異として検出されます。変異を含むGELP遺伝子の一部をPCRで増幅し、制限酵素(HinfI)で処理すると、CとTの違いに応じてDNAの切れ方が変わります。そのため、無花粉個体(ms2/ms2)と有花粉個体ではDNA断片の長さが異なり、電気泳動のバンドパターンとして見分けることができます。
「新大1号」を種子親にして作成した人工交配家系にこのマーカーを適用した結果、無花粉個体はすべて変異したGELP遺伝子(変異型)を種子親と花粉親の両方から受け継いでいました。一方、この人工交配家系の有花粉個体は正常なGELP遺伝子(野生型)と変異型を1つずつ持つパターンを示しました。MS2タイプの花粉形成異常とGELP遺伝子の変異は完全に対応しており、幼苗の段階でもGELPの遺伝子型を調べることで無花粉スギ(MS2タイプ)を選抜することが可能になりました。














