教育費の国際的な低さとインフラ老朽化の危機
このように国債費と社会保障費という二大支出に圧迫された結果、私たちの生活に最も身近で、未来への投資となる分野の予算が極めて危機的な状況に陥っています。
教育予算の限界:
日本の教育予算は4兆6000億円で、GDP(国内総生産)比で見ると3%余りに過ぎません。これはOECD(経済協力開発機構)加盟国の平均である3.6%を下回っており、4%台を維持しているEU諸国やイギリスと比べるとかなり低い水準です。
一方で、近年の防衛費は急増しており、教育費の2倍の規模です。かつては教育費の方が大きかったバランスが現在では完全に逆転しているのです。加藤氏は「次の時代を担う『人間を育てること』こそが、安全保障の最大の基本ではないか」と述べ、教育への投資を軽視する現状に強い懸念を示しています。
公共インフラの老朽化:
道路や橋、トンネル、上下水道といった公共事業への投資は、現在GDP比で3%程度と欧米並みの水準に落ち着いています。しかし本当の問題は、1960年代の高度経済成長期から90年代にかけて、現在の倍にあたる「GDP比6%」という莫大な規模で集中的に整備されたインフラが一斉に老朽化の時期(寿命)を迎えていることです。
これらの維持・管理には今後、莫大なメンテナンス費用がかかります。しかし、政治の世界では目に見えて票になりやすい「新しい施設や道路」を作る方が優先されがちで、地味な維持管理には力が入っていません。昨今各地で起きている下水道の陥没事故などは、まさにこの問題が地表に現れた氷山の一角に過ぎないのです。














