全員で戦う「ALL崇徳」 いざ大一番へ
全員で背負うと決めたチームは、6月に行われた「3年生試合」を経て、さらに固く結ばれた。夏のメンバーから漏れ、裏方に回る決断をした3年生たちにとっての事実上の引退試合。泥だらけになって白球を追い、痛みをこらえて全力疾走する姿。新村たちはその背中に涙し、仲間の想いも全て背負って夏を戦う誓いを新たにした。
グラウンドのすぐ隣にある寮で寝食を共にし、夜は風呂場からカラオケの賑やかな声が聞こえる等身大の高校生たち。しかし、ひとたび練習前になれば「人の落とした運を拾う」とグラウンドだけでなく周辺の住宅街にまで足を延ばしてゴミ拾いを続け、日常生活から心を揃え、本音をぶつけ合ってきた。
あの夏から1年。泥と汗にまみれ、全員で進んできた崇徳が、いよいよ因縁の王者・広陵との大一番を迎える。自らの手で過去を塗り替え、歴史の扉をこじ開ける準備は、もう整っている。
【筆者プロフィール】
伊東平(いとう・たいら) 中国放送(RCC)アナウンサー。2016年に入社。アナウンサーとして、プロ野球(広島東洋カープ)、Jリーグ(サンフレッチェ広島)、世界テニスワールドツアーなど、テレビ・ラジオのスポーツ中継で実況を担当。プロ野球クライマックスシリーズ実況にて、JNN・JRN系列「第49回(2023年度)アノンシスト賞」ラジオ スポーツ実況部門 優秀賞を受賞。














