福島第一原発事故をめぐり、東京電力の旧経営陣3人が強制的に起訴された裁判の控訴審判決で、先ほど東京高裁は一審と同じ無罪を言い渡しました。

東京電力の旧経営陣、勝俣恒久元会長(82)、武黒一郎元副社長(76)、武藤栄元副社長(72)は、高さ10メートルを超える津波を予測できたのに対策を怠り、福島県大熊町の双葉病院の患者ら44人を原発事故の避難によって死亡させるなどした業務上過失致死傷の罪に問われています。


一審の東京地裁は2019年9月、「原発の運転を停止する義務を課すほどの巨大な津波を予測できたとは認められない」などとして、3人に対し無罪判決を言い渡し、検察官役の指定弁護士が控訴していました。

裁判の主な争点は、「巨大な津波を予測できたか」と、対策を取れば「事故は防げたのか」で、2002年に公表された国の地震予測「長期評価」が科学的に信頼できるものだったかが焦点となっていました。