世界の建築をめぐる稲葉さん きっかけは1970年の大阪万博

使う人のことを考えて造るからこそ100年以上残る建物になると語る稲葉さん。建築に魅せられ、世界中を巡る原点となったのは、幼少期のある体験でした。

(稲葉なおとさん)
「一番のきっかけは1970年の(大阪)万博でしたね。(小学校)低学年の時に連れて行ってもらって、期間限定の建物だからこそ実験的な建築をいろいろと実践していた。それを見たことがすごく衝撃的だったんだと思います」

「子どもにも分かる面白さが(建築には)ある、それだけ力を持っているというのが今につながっているのかもしれないです」

続いて向かったのは、倉敷市歴史民俗資料館。

こちらは時代が少し進んで、大正時代に幼稚園舎として江川が設計した建物で、中に入ると、建築の「進化」を感じられるといいます。

(岡田美奈子キャスター)
「ここもかなり広い空間で、もしかして八角形?」
(稲葉なおとさん)
「八角形なんですよ。岡山市の幼稚園の流れをくむんですけれど、違いが分かります?」
(岡田美奈子キャスター)
「違いですか・・・」
(稲葉なおとさん)
「壁の向こうに岡山市では何があったか?」
(岡田美奈子キャスター)
「部屋がありました」
(稲葉なおとさん)
「そう、(でもここには)無いんですよ」
(岡田美奈子キャスター)
「ここはこの空間だけ」

(稲葉なおとさん)
「遊戯室だけが独立して造られているんです。保育室はどこにあるかというと、こちらです。もう一回入り口に戻って、廊下があるんですけれど、廊下の反対側に保育室があったんです」

「遊戯室で遊んでいる音が、(保育室で)何かをちゃんと教えているときにはうるさく伝わらないように、廊下を間に設けたんです」

「静」と「動」を分離するという、現代の教育にもつながる考え方がこの時代から生まれていったということを、建築の構造からうかがい知ることができます。