ウクライナ侵攻の前線で戦っていたロシアの民間軍事会社「ワグネル」の元指揮官がノルウェーに逃れ、亡命を申請したと報じられました。

イギリスBBCなどは、13日にノルウェーに逃れた「ワグネル」の元指揮官アンドレイ・メドベージェフ氏が現地当局に不法入国の疑いで身柄を拘束され、亡命を申請していると報じました。

支援したロシアの人権団体によると、メドベージェフ氏はロシア軍の元兵士で、2017年から2018年にかけて刑務所で服役したのち、去年7月から4か月の契約でワグネルに加わると、ウクライナに投入された部隊の責任者となりました。

しかし、契約が無期限に延長される方針だと知らされ、戦うことを拒否すれば超法規的な報復を受けると脅されたため、去年11月にウクライナから逃走。先週、凍てつく川を渡り、ノルウェー入りしたということです。

メドベージェフ氏の担当弁護士によると、本人はウクライナでの戦闘中にワグネルの「内部保安サービス」による脱走兵の処刑など多くの戦争犯罪を目撃してきたと話していて、ノルウェーに証拠類を持ち込んだとみられます。そして今後、彼の持つ情報を戦争犯罪の調査団体などと共有したい意向だとしています。

またAP通信によると、メドベージェフ氏はロシアの人権団体に対し、ワグネルの活動や創設者のプリゴジン氏をめぐり、知っていることを全て話す用意があると伝えているということです。

ウクライナ侵攻に参加していたワグネル元指揮官の西側への逃亡が明らかになるのは、初めてとみられます。